【検証】就活のGDテクを会議で使ったらどうなる? ~GDテクが将来的には役に立たないかもしれない話~
はじめまして!19卒内定者の笠原由衣です。究極の方向音痴です。
就活していたときは、よく道に迷って、30分前に駅に着いたのに会場の会社に着くのはギリギリ、みたいなことがよくありました。意外と会社って奥まったところにあることが多いんですよ。今就活中、またはこれから就活をしようとしている人で、方向音痴の人は気を付けてくださいね。その点リスペクトの仙台オフィスは駅から一本道を真っ直ぐ行けば着くので方向音痴にも優しいですね!(但し迷わないとは言っていない)
ところで就活といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?私は、特徴的なもののひとつとして、グループディスカッション(以下:GD)があるんじゃないかなと思います。大体の人が初めて就活でGDを経験しますよね。そのため、GDへの対策として、ネットではたくさんの「GDテクニック」なるものが紹介されています。
しかし、これらのGDテク、もし仮に使いこなせるようになったとして、社会に出てから全然使う機会がなかったらショックじゃないですか?高校生の時になんの意味もないと思っていた微分ですら株式予想に使えるのに…(ごめんなさい)。
というわけで、今回の記事では、GDテクが実際の会議で使えるのか検証してみました!検証方法として、リスペクトの社員1人と私を含む内定者3人で模擬会議を開き、内定者の1人がその中でGDテクを使ってそのよしあしを社員に判定してもらいます。
そもそもGDってなんだっけ?
さて、さっきからGDという単語が大量に出てきていますが、そもそもGDってなんだっけ?という方のためにかるくおさらいしておきましょう。
GDとは
GDとは、複数の学生で与えられたテーマに対して議論し、結論を導き、そのプロセスを人事担当者が審査する形式の集団選考です。企業によって所要時間や1グループあたりの人数は異なります。私の経験したものだと、就活生4~5人で1グループになり、テーマが与えられ、そのテーマについて30分くらいで話し合って結論を出すパターンが多かったです。人事担当者はその話し合いの過程をメモしながら、学生を評価しているようでした。
GDテクを使っていざ模擬会議!
さて、GDについて簡単におさらいできたところで、さっそくGDテクを使った模擬会議に入っていきましょう!
模擬会議に入る前に…
今回使うGDテクと、模擬会議の参加者をご紹介します。
今回使用するGDテク
どんなGDテクがあるか色々調べた上で、今回は以下の5つを選びました。
- 1.GDの会場には一番初めに到着して、テーブルの真ん中の一番意見が言いやすい場所に座る
- 2.言葉の定義づけをする
- 3.フレームワーク(例:フェルミ推定)を多用する
- 4.バズワード(例:AI)、横文字を多用する
- 5.率先してプレゼンを引き受ける※
(※今回は会社の会議という設定なので、「会議のまとめを引き受ける」に変更しています)
今回の模擬会議参加者
大島明日海さん(画像右手前・以下:大島)
リスペクトの社員の1人。普段は新卒採用を担当していらっしゃいますが、今回はあくまで一社員として判定をお願いしています。
山下航希(画像左・以下:山下)
内定者その1。GDテクを使いまくる、意識高い系(笑)になりきって会議に参加してもらいました。普段はこんな人じゃないので安心してくださいね。
鈴木彩実(画像右奥・以下:鈴木)
内定者その2。書記として会議に参加してもらいました。
笠原由衣(画像外・以下:笠原)
内定者その3。この記事の執筆者です。夢中になって皆の写真を撮ってたら自分の顔を撮り忘れたので、写真は脳内補完でお願いします。
ではさっそく、GDテク実践スタート!
1. GDの会場には一番初めに到着して、テーブルの真ん中の一番意見が言いやすい場所に座る
さて、模擬会議スタート…の前に、さっそくGDテクその1「GDの会場には一番初めに到着して、テーブルの真ん中の一番意見が言いやすい場所に座る。」を実践してくれているみたいですね。
まだ会議が始まる30分前なのですが…なんでこんなに早く来たのか、ちょっと理由を聞いてみましょう。
真ん中に座ることによって議論の主導権(イニシアチブ)を握って周りを巻き込んでいく、この姿勢を上司に見せつけるために中央に座りました。
それに、30分も前からいればやる気も伝わると思うんで、もう上司からの評価が上がることは確実ですよね。
…なんかイラっとしましたね。なんででしょうか。とにかく彼は上司からの評価を気にして早く来たということみたいですね。
気になる判定は…!?
さて、では上司役の大島さんの判定は…?
結果は「良くも悪くもない」という判定になりました。彼の期待しているような高い評価ではなかったですね。この判定になった理由を教えてもらいましょう。
…なるほど。会議を効率化させるために早い時間に来ているんだったらいいけれど、早い時間に来ていて、特に何もしていない場合は意味がないので良くないということですね。
2. 言葉の定義づけをする & 3.フレームワークを多用する
さて、皆集まったところでいよいよ模擬会議開始です!
そして今回はまず企業の定義、ここから入りたいなと思っています。恐らく事前に資料はチェックしてきていただいてると思うので、皆さん意見ありますよね?
【言葉の定義づけ:企業の定義】
フレームワーク:3C分析
※ちなみにコンサルティングとクリエイティブは弊社の事業領域です
…チョメチョメっていったい何なんですかね。とにかくどうしてこんなにフレームワークを使いたがっていたのか、本人に聞いてみましょう。
あ、やっぱり会社からの評価を意識されているんですね。ところでなんでさっきからドヤ顔なんでしょう…。
気になる判定は…!?
さて、では大島さんからの判定は…?
判定は「ダメ」という結果になりました!評価が上がるどころか下がっていますね。なぜでしょうか?
大島手段を使いこなすことに躍起になってしまって、本来の目的のために無駄な経路をたどっていることに気が付いていないためです。
リスペクトの会議でもし今回みたいにフレームワークを使いまくったら、今これをやる理由はあるのか?という質問が来てしまいます。実際の会議でも「それはまず個人でやっていいものなんじゃないか」とか、「それは考えるべきかもしれないけど今の情報量でやるべきものなのか」ということがよく話題に出るので。今回のゴールのために、今何をすべきか?ということを考えるとしたら、今のはツールを使いこなすことに無駄に躍起になってたね、って感じです。
確かに、今回の場合はフレームワークや定義づけをすることに意識がいきすぎて、結局何も話が進んでいませんでした。目的のために今何をすべきかを考えながら、会議を進めることが必要なんですね。
4. バズワード、横文字を多用する
では続けてGDテク3「バズワード、横文字を多用する」を実践している様子を見てみましょう。
…やたら意識の高そうな横文字がいっぱい出てきましたね。どうしてこんなに横文字やバズワードを多用したのか、本人に聞いてみましょう。
…えーと、とりあえず今回、彼は特に意識せず使っていたようですね。ところでさっきから距離近くなってませんか?
気になる判定は…!?
さて、では大島さんからの判定は…?
またもや判定は「ダメ」という結果に。この判定になった理由はなんでしょうか?
今回に至っては山下君本人が単語について意味を把握していないものがありました。皆に言葉の意味が通じていないこともあったため、ダメという結果になったんですね。
5. 率先してプレゼン(会議のまとめ)を引き受ける
さて、会議もそろそろまとめに入るようです。
鈴木はい、じゃあ…。
…というわけで、最後には山下君がまとめて会議が終わりました。無理矢理積極的に会議をまとめようとした意図を聞いてみましょう。
ちょ、近い近い!ドヤ顔で圧かけてこないでください!
…えーと、気を取り直して。あんまりしょうがなく引き受けた感じはしませんでしたが、一応チームのために引き受けてくれたらしいです。
気になる判定は…!?
さて、では大島さんからの判定は…?
なんと判定の結果は「良い」!どういう理由で高評価がもらえたのでしょうか。
なるほど、会議を積極的にまとめようとする姿勢自体はいいんですね。ただ、今回のように無理矢理やりたがるのは時間の無駄になるからダメらしいです。
結局GDテクって使える?使えない?
今までGDテクを実践している様子を見てきましたが、結局GDテクって会議で使えるんでしょうか?
GDテクは会議で使えるの?
大島さんには5つのGDテクを判定してもらいましたが、これらを踏まえて、結局GDテクが実際の会議で使えるか判断してもらいましょう!
GDテクを実際に会議で使う人がいたら、社員はどう思うか
つまり会議ではGDテクは使えないということですね!確かに今回の場合、話が全然進みませんでした。
実際に会議で使えるスキルって何なの?
では実際に会議で使えるスキルって何なんでしょうか。
なるほど。具体的にはどのように会議を進めれば良かったのでしょうか?
大島例えばブレストレベルの会議で「初参加の人に色んな意見を言わせてアイディアを集めよう」という場だったら、実は目新しい考えを秘めてそうな人から話を引き出すのは必要なスキルになるかもしれないですね。
または「物事をさくさく決めていかなければならない」っていう会議だったら、事前に必要情報と、その会議の30分の場でやらなければならないことをしっかり周知させておくのがいいです。皆に考えさせておき、効率よくその場で意見を出させて取捨選択していくスキルが必要になります。
つまり、人の時間を奪っている意識が大事ってことですね。
じゃあGDテクってGDでは使えるの?
GDテクが会議では使えないということは分かりました。ただ、会議とGDは別物。会議で使えなくても、GDで使えればいいんでしょ?と思った人もいるかもしれません。しかし「リクナビ就活準備ガイド」によれば、GDで評価されている点は主に以下の4つです。
(1)積極性
(2)協調性&コミュニケーション力
(3)論理思考力
(4)発想力
参考:リクナビ就活準備ガイド「グループディスカッションとは?流れやポイントを紹介」
先ほどの検証で山下君が演じてくれていた人物を思い出してみると、GDテクは使いこなせていたかもしれませんが、協調性等は大きく欠けていたように思えませんか?つまり、GDテクを使いこなせる=必ずGDで高評価を得られる、とはならないわけです。
では、GDテクがGDで全く使えないかと言われると、そんなことはありません。GDを使いこなせているのに高評価を得られないのは、GDテク自体に問題があるのではなく、GDテクを手段としてではなく目的として使用してしまっているからです。山下君が演じていた人物も、GDテクを使用することが目的になっていて、話し合いの内容そのものがおろそかになっていました。GDテクはあくまで話し合いに積極的に参加するための、そして自分の個性を活かすための手段。なので、GDテクを完璧に使いこなせるように頑張る、なんていう努力の方向音痴はやめましょうね。
最後に…
リスペクトの選考にもGDがありますが、付け焼刃的なテクニックを使える人間は求めておらず、人間性や個性を見て評価をしています。なので、リスペクトに興味があって選考を受けようかな~と思っている方は、小手先のテクニックを使いこなそうと躍起になったりせず、ぜひ素の自分でGDに臨んでみてくださいね。
ものすごく文字量が多くなってしまいましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。次週の内定者企画もお楽しみに!