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人生経験も記事に! カキタイネツイをカナエル会社

ネットでは毎日たくさんのニュースがあふれていますよね。皆さんはどんな風に知りたい情報をキャッチしていますか?

私たちが運営している人事・総務向けメディア「@人事」では、人事担当者にとって役立つハウツー記事やインタビュー記事のほか、ニュースや世の中の関心事にあわせて「@人事」視点でのオリジナル記事を配信。今回は、アラフォーのママ記者が自らの人生経験を生かし、話題になったドラマとツイッター上を騒がせた2つのネタをテーマに執筆したウェブ記事制作の舞台裏を紹介します。

 

再挑戦の理由は、冷めない「書きたい熱」

こんにちは。フリーペーパー事業部編集課のママライター・yokoです。

私が担当しているのは、人事・総務向けメディア「@人事」の取材・編集業務。「@人事」にはフリーペーパーとウェブコンテンツがありますが、この3月に中途入社した私はこれまでほぼ紙媒体の経験しかありませんでした。

もともとはスポーツ紙の記者を10年以上経験し、出版社へ転職。出産、育児を経てその後いろいろな働き方を経験し、アラフォーにしてリスペクトにやってきました。転職理由の一つが、「もっと書きたい」「取材をしたい」という”欲”でした。

小学校低学年から始まった家族新聞作りに始まり、小中学校ではクラス新聞、学生時代は体育会のスポーツ新聞を作ってきた私。産後しばらくは執筆ではなく主に編集業務をしていましたが、これまでの習性(?)からか再び「書きたい熱」がムクムクと湧いてきました。

世の中の出来事を取材したい。自分の言葉で何かを伝えたい。そんな「カキタイネツイ」を携え、初めてウェブメディアの世界に飛び込みました。

 

イヤな定時女。時代遅れ上司。キーワードは「ネガ要素」

「紙の記事とウェブ記事の違い」は、もちろんいくつかあります(まだ学びの途中ですが)。情報への「入り口と出口」が違いますし、情報の「広がり方」も違う。それからコンテンツの「自由度」も違います。数字が出るウェブ記事は、「集客を意識したライティング」になりがち、ということも言えるでしょう。

ただ、同じ点もあると思います。読者に「読みたい」と思わせるポイントです。ウェブならクリックしてしまうワードですね。私がよくやるのはタイトルに「ネガティブ要素を入れる」ということ。

「ネガティブ要素」とは、「共感」を呼ぶもの。相手の成功体験だけ聞いていると嫌気がさしませんか? 人って、他人の失敗談が好きですし、スポーツ記事だったらそこからの復活ストーリーに感動したり、ハウツー記事でも他者のうまくいかなかったケースを教訓に自分を顧みたりするものなのです。

 

さて、今回制作の舞台裏を紹介する記事は2本。

2019年4月から放送中のドラマ「わたし、定時で帰ります。」から浮かんだワードは「イヤな定時女」でした。 「育休→即転勤」でツイッター上で炎上した「カネカのパタハラ騒動」では、「時代遅れの上司」でした。

記事の構成は、「共感を呼びそうだな」と思ったネガワードが浮かんだことから始まりました。

 

お蔵入り寸前から、異例のスピードで甦ったワケ

この2本の記事、「@人事」の取材・企画記事を扱う「@人事ONLINE」カテゴリーの中では、異例のスピードで出来上がりました。

通常の企画記事の場合、こんな感じで進行します。

 

通常企画記事の進行

①企画会議でネタが決定

②取材先に取材依頼

③取材・撮影

④執筆

⑤社内校正

⑥イラストやアイキャッチなどのデザイン発注

⑦取材先の確認

⑧入稿作業

⑨公開

平均的に、ネタ決定からウェブ公開まで1カ月~1カ月半といったところ。フリーペーパー掲載用だと3カ月以上かかる場合もあります。

ただ、時事ネタに乗っかる場合は違います。法案の可決日などにあわせてあらかじめ準備しておくこともありますが、今回はどちらも編集部員からのアイデア出しがきっかけ。そこから一気に制作が進みました。

私は日刊紙の記者だったので、原稿執筆のスピードにはそれなりに自信がありました。ただ、ウェブ記事には執筆者自身が行う諸々の準備(SEO対策、画像加工、入稿作業など)があり、その作業がまだ不慣れで時間がかかってしまいます。そのあたりは周りの編集部メンバーが怒涛の勢いでフォローしてくれました。

 

「わたし、定時で帰ります。」記事の制作までを振り返ってみます。

A~D:編集部メンバー 

A「わた定、盛り上がっていますよね」

私「前職にイヤな定時社員がいたので、実は迷惑に思っている周囲の人も多いのでは?」

B「統計とれたら、記事になりそう!」

 →企画会議でアイデアが生まれる

C「アンケート調査会社に依頼しましょう」

B「設問の詳細を作ります」

 →アンケート調査会社の回答に時間がかかるため断念、企画自体がボツになりかける

私「諦めたくない、このドラマで記事をつくりたい!」

D「これまであまりないパターンだけど、yokoさんが自分でコラムを書いてみたら?」

A「アンケートはツイッターで取ってみたら?」

C「では今夜、ツイッターでアンケートとります!」

 →ドラマ放映日にアンケート、一夜で13,000票以上を集める

D「イラストを使いたいけれど、時間がない」

私「昨日の新入社員プレゼンでイラスト得意と言っていた子がいました!」

 →一両日中で書き上げてくれる人を社内で募集したところ、候補の新入社員が挙手!

B「入稿作業は任せてください」

C「SEO対策でこのワード入れましょう」

D「せっかくなので、この業務ガイドも紹介しましょう」

 →メンバーが記事を強化、公開までアシストしてくれる

イラストをお願いするきっかけになった新入社員minakichiさんのプレゼン(新入社員研修)の一コマ

 

ドラマの話題とアンケート結果をネタに、業務効率化のヒントを散りばめた記事「あなたの周りにいる『イヤな定時女』『デキる定時女』」は、ボツになりかけてから一週間後、ちょうどドラマ放送曜日にあわせてオリジナル記事として公開されました。

人気ドラマのおかげもあってPV数も増加。複数のメンバーが一体となってアイデアを出し合ったことが、スムーズな公開につながったと思います。

 

アラフォーママの人生経験が生きることもある

6月に入り、今度は人事ネタとして飛びつかないわけにはいかない「炎上系」がやってきました。育児休暇を取得したカネカの男性社員が、復帰翌日に転勤辞令が出た末に退職することになったパタハラ騒動です。パタハラとは、パタニティ(父性)ハラスメントの略で、育児のために休暇や時短を利用しようとする男性社員に対する嫌がらせ行為のこと。

こちらは「定時女」よりさらにスピーディー。

「カネカの記事、どうします?」が編集部内で出た翌日に記事を公開。「パタハラ告発のカネカから学ぶこと。人事や『時代遅れ上司』の問題点」の制作日数は1.5日でした。前回の経験もあったため、編集部だけではなく、アイキャッチを制作するデザインチームも「とにかく早く!」と一丸となって記事をフォローしてくれました。

定時女もパタハラ騒動も「育児」が関わるテーマだったことも、「書きたい!」と思った理由です。週5の定時帰りをし、編集部内で唯一育休取得経験がある私。これまで3度の転職経験があり、大企業、中堅、中小とさまざまな労働環境で勤務したことも、記事に生きました。

そう、イヤな定時女は、前職で私の隣りにいた社員のことだし。

時代遅れ上司は、結婚したときに転勤希望を却下した以前の上司のことだし。

人生経験の「ネガ要素」を散りばめることで、伝えたいことに説得性をもたせることができたかな、と思います。

ただ、このジャンルはもうネタ切れでもありますが……。

 

一体感、部活感、諦めない精神

2本のウェブ記事制作を通じて、私が感じたリスペクトの魅力をまとめてみます。

 

①さまざまなメンバーがいて、刺激的

編集部はさまざまなメディアで経験を積んだ中途入社組も多く、世代も20~40代まで幅広い。個性を生かしながらコンテンツづくりをしています。

 

②フラットな職場で、個人の希望を尊重してくれる

これまで在籍したマスメディアでは、なかなか企画が通らないこともありましたが、ここでは「やってみよう!」の精神が歓迎されます。偉ぶる人がどこにもいない、フラットな職場であることも大きいと思います。

 

③自分たちでブランドをつくりあげていく楽しさがある

成長途中のメディアならではの魅力です。

 

④営業チームとの垣根を感じない

今回の記事2本は違いましたが、営業チームと連携しながら記事を作り上げることもあります。「メディア」と「営業」とは相容れない部分があったりするのですが、チーム内の垣根が低く「一緒に良いものをつくろう」という空気があります。

 

⑤すごく部活感がある

入社して一番に感じたことがコレです。(私に比べると全社的に)若い社員が多いこともあり、「みんなでつくり上げよう!」という一体感を感じます。そして、諦めない精神!

 

カキタイネツイをカナエル会社です

カネカのパタハラ騒動では「カゾクのネガイをカナエナイ会社」なんて揶揄されたりしていましたが、私にとってリスペクトは「カキタイネツイをカナエル会社」。

今回のコラム風記事が制作された背景には、成長途中のメディアならではの、やってみよう精神を受け入れてくれる自由な社風があると思います。

人事・総務向けというと特定の層が読む硬派なメディアに思えるかもしれませんが、全ての働く人が共感できる記事をどんどん発信していくつもりです。

「カキタイ」「ツタエタイ」そんな意欲がある人は、ぜひリスペクトの扉をノックしにきてください。

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